障害者雇用の給与・待遇はリアルどうなの?
一般枠との差をデータで解説【新卒・既卒向け】
「障害者枠にすると、給料が下がるんじゃないか。」
「一般枠との差はどのくらいあるの?」
就活でオープン・クローズを迷うとき、お金の不安は避けて通れないテーマです。この記事では、データをもとに障害者雇用の給与・待遇の実態を整理します。
✔ 障害者雇用の平均年収・初任給のデータ
✔ 一般枠との給与差が生まれる理由
✔ 給与以外の待遇(休暇・配慮・定着率)で比較する視点
✔ 「給料が安い」を乗り越えるキャリアの考え方
まず前提:「障害者枠は給料が安い」は本当か
結論から言うと、「障害者枠だから給料が安い」とは一概には言えません。ただし、平均値で見ると一般枠より低くなる傾向があるのは事実です。その理由と背景を正しく理解したうえで、自分にとっての「トータルの働きやすさ」を判断することが大切です。
「障害者枠=給料が安い」と思い込み、クローズで一般枠を目指した結果、体調を崩して短期離職——このパターンが非常に多いです。給与の額面だけでなく、「続けられるかどうか」も含めたトータルで比較することが重要です。
障害者雇用の給与データ:平均年収・初任給の実態
厚生労働省や各種調査のデータをもとに、障害者雇用の給与実態を整理します。
215万円
障害種別で最も低い傾向。パートタイム・短時間勤務の割合が高いことが影響しています。
314万円
フルタイム勤務の割合が高く、障害種別の中では比較的高い水準です。
247万円
近年、大企業の障害者雇用が増えたことで、徐々に上昇傾向にあります。
433万円
国税庁「民間給与実態統計調査」より。障害者雇用との差が明確に出ています。
※出典:厚生労働省「障害者雇用実態調査」、国税庁「民間給与実態統計調査」をもとに作成。調査年度により数値は変動します。
数字だけ見ると差が大きく感じられますが、この差には勤務形態・業種・勤続年数・障害種別など複数の要因が絡んでいます。単純に「障害者枠だから安い」とは言えない理由を次のセクションで解説します。
給与差が生まれる3つの理由
理由① 短時間・パートタイム勤務の割合が高い
障害者雇用では、体調管理のために短時間勤務やパートタイム勤務を選ぶ方が多く、年収ベースで見ると低くなりがちです。フルタイム正社員同士で比較すると、差は縮まります。
理由② 職種が事務・サポート系に偏りやすい
障害者雇用枠の求人は、データ入力・書類整理・軽作業など、給与水準が比較的低い職種に集中しやすい傾向があります。IT・専門職・営業職などの高賃金職種は、障害者雇用枠では求人が少ないのが現状です。
理由③ 大企業と中小企業の差
大企業の障害者雇用は給与水準が高く、福利厚生も充実している傾向があります。一方、中小企業では一般枠と比べて待遇に差が出やすいです。同じ「障害者雇用枠」でも、企業規模によって給与は大きく変わります。
新卒採用では、障害を理由に給与・賞与を下げることは法律上禁止されています。同じ職種・同じ雇用形態であれば、障害者枠でも一般枠と同水準の給与になるのが原則です。「障害者枠だから給料が低い」ではなく、「職種や雇用形態の違い」が給与差の主な原因です。
給与以外の待遇で比較する:トータルの働きやすさ
給与の額面だけで「オープンかクローズか」を判断するのは危険です。給与以外の待遇を含めた「トータルの働きやすさ」で比較する視点が重要です。
| 比較項目 | 🔵 障害者雇用枠 | ⚪ 一般枠(クローズ) |
|---|---|---|
| 💴 初任給・年収 | 職種・企業規模による。フルタイム正社員なら一般枠と同水準も多い | 職種の幅が広く、高賃金職種への挑戦も可能 |
| 🏥 通院・体調配慮 | 前提として相談しやすい。時差出勤・中抜けなど柔軟な対応が多い | 配慮を求めにくく、我慢して働き続けるリスクがある |
| 📅 休暇・休職制度 | 障害者雇用実績のある企業は制度が整っていることが多い | 制度はあっても使いにくい雰囲気の職場も多い |
| 📈 昇給・キャリア | 限られがちだが、安定した環境で経験を積みやすい | 昇給・キャリアアップの幅は広いが、ミスマッチリスクも高い |
| 🔄 定着率 | 配慮がある環境では定着率が高い傾向 | 体調悪化による短期離職リスクがある |
特に注目したいのが「定着率」です。クローズで一般枠に入社し、体調を崩して1〜2年で退職——このサイクルを繰り返すと、トータルの生涯年収はむしろ下がります。「今の年収」だけでなく「5年後・10年後も続けられているか」という視点で比較することが大切です。
大企業の障害者雇用は給与水準が上がっている
近年の注目すべき変化として、大企業が障害者雇用に本格的に取り組むケースが増えています。2026年7月の法定雇用率引き上げ(2.7%)を背景に、大手企業が障害者雇用枠を拡大しており、それに伴って給与水準も上がってきています。
・正社員採用で月給22〜25万円以上の求人が増えている
・賞与・昇給・退職金制度が一般枠と同条件の企業が増加
・在宅勤務・フレックスタイム制など柔軟な働き方が選べる求人も増えている
・専任の障害者雇用担当者を置き、定期的なフォロー面談を実施する企業が増えている
「障害者枠=低賃金」という時代は変わりつつあります。特に大企業・上場企業の障害者雇用求人は、給与・待遇ともに一般枠と遜色ないケースも増えています。非公開求人を多く持つ就活エージェントを活用すると、こうした条件の良い求人にアクセスしやすくなります。
「給料が安い」を乗り越えるキャリアの考え方
「最初の給与は低くても、長く続けながらキャリアを積む」という考え方は、障害者雇用においても有効です。
給与条件の良い障害者雇用求人の探し方
給与・待遇の良い障害者雇用求人を見つけるには、一般の求人サイトだけでなく、非公開求人を持つ専門エージェントの活用が効果的です。大企業の障害者雇用求人は、表に出ないケースが多いからです。
専任のキャリアアドバイザーに「給与◯万円以上」「正社員希望」「昇給制度あり」などの条件を明確に伝えることで、条件に合った求人を絞り込んでもらうことができます。
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「給料が安い」だけで判断しない。トータルで比較しよう
給与は大事な判断軸のひとつですが、「今の年収」だけで障害者雇用の選択を決めないでください。配慮・定着率・昇給・キャリアの可能性を含めたトータルで比較することで、本当に自分に合った選択が見えてきます。
Vol.2ではオープン・クローズの選び方をデータとともに整理しました。この記事では給与・待遇の実態をデータで解説しました。


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